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「こえまつ」は山の宝物

「日本焚火学会付属肥松研究所」提供

「こえまつ」とは、マツの種類のことではありません。
アカマツやクロマツの老木の枝の根元や根っこの近くに、飴色の松ヤニがこってり染み込んだ部位の見えることがあります。多くは幹の中にあるので、切ってみてはじめてわかります。
そういうのを発見すると、「おお、”こえまつ”があった」と喜んでとっておきます。
こぶし大のこともあるし、小指の先くらいのこともあります。

「こえまつ」は、「肥松」と書きます。「老松」「アブラマツ」とも言います。
大きな部材は年輪に味があるので銘木としても珍重されます。木目をいかして彫り物や器・お盆など伝統工芸の原材料にも使われます。
粘りがあり強く薄くそいでも腰があるので、陶芸のへらにも使われます。耐水性があり、防虫にもなるので、建材としても優れた材だそうです。加工は大変そうですが・・・

なによりも、こえまつは火付きがよく、火持ちがするので、松明(たいまつ)に用いた、というところに日本焚火学会は注目しています。

いまや貴重品なので、松明で燃やしてしまうのはもったいないのですが、その特徴を利用して焚火の最初の火付けに使うと、とてもエレガントな火を焚くことができます。ほんのひとかけらの「こえまつ」が、新聞紙数枚に匹敵する働きをしてくれます。

幹の中に隠れていた「こえまつ」を切りだして、ほんのひとかけらにまで刻んでいくのには、根気と体力を要します。

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